2016年04月24日

靴の返りを良くする方法

職人S氏(寄り道編)@.jpg

“職人Sさん”の“寄り道”編の靴が、いつの間にやら完成していました・・。
財布等でよく見られる高級皮革・“ブライドルレザー”をぜいたくに使った一足です。

職人S氏(寄り道編)A.jpg

これまですべてハンドソーンやノルウィージャンで底付けしてきたSさん・・・。
今回の靴は“雨の日用”ということで(なんともモッタイナイ・・・)、

職人S氏(寄り道編)B.jpg

革底ではなくタンクソールを付けましたが、なんとそこも手縫いしてます。

因みに出し針は3回折ったそうで・・・。

274_3.jpg

とってもいい革ですが、雨に濡れる運命なのね・・。

職人S氏(寄り道編)C.jpg

完成後、一週間履いてみたそうですが、サイズ・その他は問題ないのですが、かなり返りがわるいとのこと・・・。

まあ、そりゃそうでしょう・・・。中底7o、ミッドソール7oに更にタンクソールっすから・・。体重60s前後のSさんではかなり厚すぎです。
だから言ったのに・・。

でも、まあ本人曰く・・“一週間でだいぶ馴染んだので大丈夫でしょう”と・・・。

現在進行中のマウンテンブーツも、同様に進めるようです・・。

“四十にして迷わず”です。


それに対して、“靴の返り”をしっかり考えて靴を作っているのがMさん・・。

Mさん内羽根ボロネーゼE.jpg

自分の靴を3足、奥様の靴2足作り、最近では奥様のご友人の靴を量産中のMさん・・。
Mさん内羽根ボロネーゼ@.jpg

こちらがそのお友達の足の採寸表ですが、かなり細身の足で、特に踵が細いことが分かります。

ですので、ご自身で購入する靴はいつも踵が脱げてしまうのが悩みの種、とのこと・・。


ということで、パンプス用の木型を使って内羽根の靴を作ることになりました。
Mさん内羽根ボロネーゼC.jpg

因みに、次の写真は同じサイズの木型を並べてみましたが、上から見てみるとこれだけ違います。
Mさん内羽根ボロネーゼB.jpg

更に、歩行時の“返り”を良くするため、“ボロネーゼ”という製法でライナーのつり込みを行っています。
“チューブ”とも言いますが、前足部の中底を敢えて入れず、ライナーと1〜2oの革を縫い付ける方法です。

Mさん内羽根ボロネーゼA.jpg

まるで靴下のようにライナーと中底部分がBP付近を覆っているため、“返り”が格段に良くなる手法の一つです。

Mさん内羽根ボロネーゼD.jpg

今回はご本人の希望で、敢えて先芯を入れずに仕上げてみました。

273_3.jpg

通常の靴にはない返りの良さにどんな反応を示されるか楽しみです。


因みに、ご自身のパンプスを作りながらその様子を見ていたTさん・・・。

TさんパンプスB.jpg

“私もその【ボロ・・なんちゃら】で作るぅ〜”

ということで、仮つり込みを終え、いよいよ本つり込みへ・・・。

因みに本つり込みの前に、踵の心材を固めるホワイトペーストがはみ出てこないよう、仮つり込みの時に空けた踵部の釘穴1か所をふさぐため裏からテープを貼る必要があります。

既に3足目の彼女ですが、念のため、

“踵の釘穴をテープでふさぐの忘れないでよ”

の一言に、何を勘違いしたのか・・、

TさんパンプスA.jpg

くまなく釘穴を封鎖!

またもや笑いの神、降臨です。

まったくっ!・・・、ワザとなんだか天然なんだか・・・。

Tさんパンプス@.jpg

全部剥がしてくださいっ!
posted by tomo at 14:24| Comment(0) | 工房及び教室のこと
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