2018年04月20日

Kくん型紙づくりD〜その壱(モカシンから逆吊りモカ編)

久々ご登場のKくん・・・。

Kくん型紙(モカシン編)@.jpg

靴専科・応用コースTの“モカシン”作りに入っております。

Kくん型紙(モカシン編)A.jpg

前作ローファー編にて習得したモカラインの取り方を生かし、同じ要領でマスターゲージを作成した後、更にモカシンとしての型紙作りとなるのですが、このようにこれまでとは異質の作り方となります。

Kくん型紙(モカシン編)B.jpg

モカシンの大きな特徴は、BP付近の中底が無く、その代わり底面も含めアッパーとして作成していくことです。
これまでの靴は、まず底面全体の中底があり、その中底にアッパーやライナーを“吊り込む”ことで靴の形となります。
具体的には木型にまず中底を釘で固定し、木型の上からアッパーを“被せる”ようにして吊り込み、底面にて糊や釘で固定し形にしていきます。

それに対してモカシンは、中足部〜踵のみの中底があり、その中底を釘で木型に固定します。
その後作成したアッパーの革の上に木型を乗せ、風呂敷で“包む”ような要領で甲部分の革と縫っていく、という形になります。・・・・・・・分かるかな・・・・。

Kくん型紙(モカシン編)C.jpg

特徴としては、基本的に芯材が入らないので(踵芯のみ入れる場合もありますが・・)着脱がしやすく気軽に履ける靴といった感じでしょうか・・。

また、BP付近(歩行時に足が屈曲する部分。親指と小指の付け根を結んだ線上のライン)に中底が無いため、靴の“返り”がとても良く、歩きやすい靴ともいえます。

逆に、芯材が無いことにより足(特に踵部)のホールドがしっかりと効かない為、長距離・長時間の歩行には向かず、また型崩れしやすい、といったデメリットもあります。

なので、ちょっとしたお散歩や、ちょっと近所へお買い物・・・といった時なんかには重宝する靴の類かと思われます。

Kくん型紙(モカシン編)H.jpg

ということで、Kくんも最初はセオリー通りに作成・・・。
ご覧の通り、見た目的には一般的にやはり女性用としての靴が多い様に思われます。
また、製作時の手数が少ない(芯材を入れず、またつり込み作業等がない)ので、短期間で一足作りたいといった方にはお薦めの靴ともいえます。


ただ、このデザインの靴を履くにはやや抵抗があり、手数の少なさに物足りなさを感じているKくん・・・・。

単なるモカシンではなく、もう少し手を加えた“逆づりモカ”で作成することになりました。

Kくん型紙(モカシン編)D.jpg

“逆づり”とはご覧の通り、通常は底面へと革を引っ張って“吊り込む”のですが、その逆、甲部に向かって吊り込みを行う手法です。

Kくん型紙(モカシン編)E.jpg

皺が大きすぎる為、更に細かく“逆づり”・・・。

Kくん型紙(モカシン編)F.jpg

いい感じに仕上がってきました。

Kくん型紙(モカシン編)G.jpg

因みに底面はこんな感じに・・・。

もう少し時間が掛かりそうなので、また完成時にご登場いただきましょう。
posted by tomo at 13:25| Comment(0) | 靴専科・型紙づくり

2018年04月13日

新木型2足目はモンクで@

今日工房に着いたら、目の前の側溝に・・・・、

謎の靴@.jpg

・・・靴??

かなりヒール高めの靴が、片足のみポツンと・・・。

謎の靴A.jpg

まだ比較的新しいようです。

・・・・なぜ??




何となく想像できるのは・・・、

その@・・昨夜、しこたまお酒をお召し上がりになり、相当泥酔状態に・・・。千鳥足で、靴が脱げたことにも気づかずにご帰宅・・。

・・・・でも、翌朝靴が片足無いことに気づいて、朝通勤時に回収しないかな・・・。

そのA・・昨夜、しこたまお酒をお召し上がりになり、相当泥酔状態に・・・。千鳥足で帰宅時、10p以上ヒールがあるので、歩きづらく、しかも痛い・・。頭にきて、“も〜っなにっ!この靴〜!”と蹴るように脱ぎ捨てる・・。

・・・・でも、もしそうなら両足やるだろうな・・・・。

そのB・・昨夜、しこたまお酒をお召し上がりになり、相当泥酔状態に・・・。千鳥足になりながらも、無事ご帰宅。しかし、泥酔し深夜遅くに帰ってきたご主人に晩御飯を忘れられ、頭にきた愛犬が、仕返しに持ち出して放置・・・。

・・・・でも犬の噛み跡もないし、そもそもリード無しで自由に外に出られる犬はいないだろうな・・。

そのC・・目の前が靴工房であることを承知の上、店主がこの靴をどのように扱うか監視している・・・。

・・・・これは無いな・・。

謎の靴B.jpg

いずれにしても、元の位置だと雨で濡れてしまいますので、工房の出入り口、軒下に置いてありますので、お心当たりの方はどうぞお持ち帰りください。




さて、新木型での2足目、以前仮靴を作った変則モンクストラップの続きです。
その時の記事はこちら⇒http://sakaiworks.sblo.jp/archives/20180403-1.html

型紙が、外羽根と他の靴との複合技だということは前回ご紹介しましたが、組み立て方も特殊です。

SWMモンクストラップJ.jpg

“レベルソ仕立て”という、特殊な縫製なのでまずはこんな感じで外側の羽根のみを縫い付け・・・、

SWMモンクストラップK.jpg

その後、内側パーツを踵部で縫い割り・・・、

SWM-モンクストラップL.jpg

この状態で、組み立てたライナーを“閂”以外、アッパーと縫い合わせます。

SWM-モンクストラップM.jpg

でもって、外の羽根より前のレベルソ部分を縫い、最後に外羽根の“閂”を縫い付けて完成・・・と。

何百と靴の型紙を作ってきましたが、靴の作りって色んなパターンがあるな〜、と思う今日この頃・・・。
posted by tomo at 19:18| Comment(0) | オーダー及び靴のこと

2018年04月07日

鏡面磨き

今週は、新しい生徒さんの木型補正や型紙作り等で、進行中のモンクストラップがなかなか進められず・・・。

教室中、ちょっと手が空いた時の手持ち無沙汰で、前回試験的に染めた仮靴を磨いてみようかな、と・・・。

鏡面磨き@.jpg

普段はあまり“鏡面磨き”はやらないのですが、今、靴磨きがちょっとしたブームみたいなので・・・。

上の写真は、2~3回に分けて手染めをした後、色止め液を塗ったところ・・・。

今回の“レザーフィックス”は光沢アリなので、ちょっとてかってます。

鏡面磨きD.jpg

こちらは、トウ部分・・・・。

鏡面磨きA.jpg

ワックスと水、クロス(布)を使って、くるくる・・・くるくる・・・・。

鏡面磨きB.jpg

ワックスを塗っては、水を数滴たらして、

くるくる・・・クルクル・・・くるくるくる・・・・・・と。

鏡面磨きC.jpg

でもって、ピッカピカ〜!

写真をクリックして拡大すると、隣のマンションや電線が映ってるのが分かると思います。

ここまで光らせると、ちょっとイヤらしい感じがして、これまで鏡面磨きはあまりやってきませんでしたが、この靴は光らせてみようかな・・・・、と思う今日この頃・・・。


posted by tomo at 18:03| Comment(0) | オーダー及び靴のこと

2018年04月05日

1足目は・・・『半分、お願いします。』

こちら、初めての靴作りでいよいよ“つり込み作業”へと突入したAさん・・・。

ATさんストラップシューズC.jpg

仮履き(フィッティング)で片足分を一度やっている作業とはいえ、やはり初足ですので最初はドキドキです。

私もそうでした・・・。

ということで、靴作りは初めて・・・、という方には、

“両足とも自分でやりますか?それとも片足はこちらでやってみせますか?”

と、確認しております。

すると、6〜7割くらいの方は、

“では、半分、お願いします。

となります。・・・・・・・・・、スミマセン、また朝ドラタイトルネタです。本家同様2話分引っ張ってしまいました。
※??という方は前話をご参照ください。

ATさんストラップシューズD.jpg

手前の方は私が吊り込んだ靴・・・。それを見ながら進めております。



こちらも同じく1足目のNさん。

NTさんホワイトシューズC.jpg

Nさんもまた、『半分、お願いします。』コールを要請・・・。


ATさんストラップシューズE.jpg

どちらも、上手に出来ましたね。

NTさんホワイトシューズE.jpg

お二人とも、次からは底付け作業へ・・・。GW前後には完成かな・・・。  
posted by tomo at 20:04| Comment(0) | 工房及び教室のこと

2018年04月03日

『半分、外羽根。』

昨日から新たにスタートしたNHKの朝の連ドラ、『半分、青い。』

半分、青い。.jpg

本日含めてまだ2話分しか見ていないので何とも言えませんが、コミカルな感じが『あまちゃん』や『ひよっこ』に通じているようで、何だかこれから半年通して観ていきそうな予感・・・。

ヒロインがCGで作られた“胎児”の状態で登場し、しかも2話分引っ張るあたりなかなか斬新です。


さて話は変わりますが、先日“新木型”で作成したフルブローグ・・・。

SWM-1モンクストラップI.jpg

履き始めて2週間程経ちますが、極めて良好です。

これまでより甲部を薄くしたことで、BP辺りでの抑えがきつくない程度によりしっかりと抑えられている感じがして、これまで以上に履き心地の良さを実感できております。

ただ、念には念を入れて、ということで自分用にもう一足作ることにしていたのですが、次はモンクストラップで試してみることに・・・。

で、こちらがその展開図・・・。

SWM-1モンクストラップ@.jpg

少しわかりづらいですが、上の展開図、チョット変です。

通常は、赤の部分と青の部分の角がピタッと合って繋がっているのですが、かなりズレております。

オーダーや教室の生徒さんの靴の型紙は、どうしてもオーソドックスなパターンが多い中、たまには応用を利かした変則的なものが作ってみたくなる、という“モヤモヤ感”を払しょくするため、今回は色々とチャレンジを・・。


SWM-1モンクストラップA.jpg

こちらが、アッパーの型紙・・・。

何が変則的か、と問われると説明するのは難しいのですが・・・、

ザックリ言うと、センター(真上から見た靴の中心線)から外側部分は外羽根の展開方法で進めているのですが、反対の内側部分はホールカットと内羽根の併せ技的な展開方法といいますか・・・。

こちらは、ライナーの型紙ですが・・・、

SWM-1モンクストラップB.jpg

これもやはり半分(外)は外羽根で、半分(内)は内羽根の展開方法で・・・。

もうお分かりですね・・・。ブログのタイトルは冒頭の朝ドラトピックから強引に引っ張ってみました。

SWM-1モンクストラップC.jpg

勿論、初めてのパターンなので、型紙が正しいかどうかを確認するため“仮”ということでまずは片足のみを・・・。


SWM-1モンクストラップD.jpg

こちらも、縫製の新しいテクニックを取り入れております。

SWM-1モンクストラップE.jpg

“レべルソ”という縫製技術・・・。
ラテン語で“反転させる”という意味らしいのですが、簡単に説明すると“縫い割り”と“ヘリ返し”の併せ技のようなもので、ミシンで縫われてはいるのですが“縫い目が見えない”という装飾方法のひとつです。

SWM-1モンクストラップF.jpg

あら〜、センターが思いっきりズレてる〜っ!

変則的な展開を色んな所でしているので、最後にいわゆる“辻褄合わせ”的なことをしなければならないのですが、一か所忘れてしまった為こんなになっちゃいました・・・。

ふ〜、やっぱり仮で作ってみないと・・、こういうことがあるから怖いですね・・。

SWM-1モンクストラップG.jpg

ということで、問題点が浮かび上がってきましたので(今回は後ろのセンターを合わせる為の辻褄合わせと、ストラップの長さ調整、外側の羽根の高さの微調整)、型紙を改めて作成し直して本番へて入っていきたいと思います。

仮作成も本番同様、ヌメで作成したので、“手染め”も試験的に・・・。

SWM-1モンクストラップH.jpg

今度は、黄茶系 + 赤系のスフマート染色でやってみようかな・・・、と思う今日この頃・・。
posted by tomo at 18:31| Comment(0) | オーダー及び靴のこと