2016年09月29日

パパ頑張ったよっ!

一昨年、冬のとある土曜日の夕方・・・。
まだ小さな息子さんと一緒に工房見学に来られたSさん。

靴づくりはもちろん、革の扱いやミシン等も全くの初心者、ということでしたので、
“最初は圧着(セメンテッド)で進めてみてはどうですか?”
とお薦めしてみたのですが、一週間後のお申込みの際、

“是非、ハンドソーンとやらでやってみたいっ!”、と・・・・。

うちでは基本アッパー作りからご自身でやっていただいてますので、教室だけの作業ですと最低でも1年、人によっては2年近く掛かるかもしれませんよ・・とお伝えするも、

“頑張りますっ!”

Sさんパパ_ハンドソーン@.jpg

あれから早20ヶ月・・・。確かにゆっくりとではありますが、でもとても丁寧に丁寧に進めてこられました。

Sさんパパ_ハンドソーンA.jpg

それから約1年程の写真・・・、なかなかつり込みで皺が消えずに苦戦を強いられておりました。

Sさんパパ_ハンドソーンB.jpg

アッパー裏側に水を沁み込ませたり等、繰り返しつり込みをし、ようやく皺が消えてきたようです。

更に半年ほど掛け、掬い縫いも丁寧に縫い進め・・、
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中ものを詰めてヒール部に“鉢巻”を巻いているところ・・・。

Sさんパパ_ハンドソーンD.jpg

シャンクも今では通常、鉄板を打ち付けるのですが、

“昔は錆を嫌って、厚い革を入れて作ってましたよ”、の一言に、
“では革で挑戦しますっ!”
と一切妥協はしません。
Sさんパパ_ハンドソーンE.jpg

包丁の扱いもかなり様になってきました。

Sさんパパ_ハンドソーンF.jpg

ウエルトの幅を決め・・・、

Sさんパパ_ハンドソーンG.jpg

包丁で丁寧に切り回していきます。

Sさんパパ_ハンドソーンH.jpg

上手に出来ました。

Sさんパパ_ハンドソーンI.jpg

そしていよいよ出し縫いです。
掬い縫いでだいぶ“手”が覚えてきたのか、丁寧さはそのままで、かなりスピードも付いてきたみたいですね。
Sさんパパ_ハンドソーンJ.jpg

この辺りはもう今からひと月程前の写真・・。ヒールの積み上げ、切り回しもサクサク進んでます。

Sさんパパ_ハンドソーンK.jpg

今回は積み上げ3枚+化粧で進めます。

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滑り止めのハーフソールを貼る準備をして・・、

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圧着・・。

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ハーフソールと化粧ヒールのゴム部分は、グラインダーで削っていきます。

Sさんパパ_ハンドソーンO.jpg

最後にコバインキを塗り、

Sさんパパ_ハンドソーンQ.jpg

メンチュウロウで磨きを掛けて・・・・、

299_2.jpg

完成〜!

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約20ヶ月、魂を込めて作り上げた一足です。

息子さんっ!パパ頑張ったよっ!

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精魂を使い切って、
もうこれで卒業ですか?と伺ったところ、

“次は息子の一足を作ってみたいですっ!”と・・・。

いいお父さんや〜
posted by tomo at 13:43| Comment(0) | 工房及び教室のこと

2016年09月15日

Uさん追っかけ記録B〜クーズーでノルウィージャン・・・だけど、ちょっと後悔の巻

久々ご登場のUさん・・。追っかけ記録の@・Aはこちら。
http://sakaiworks.sblo.jp/archives/20151128-1.html
http://sakaiworks.sblo.jp/archives/20160325-1.html

アッパーが完成し、つり込み作業からとなります。

まだ2足目なのに次から次へと新たなことに挑戦したがるUさん・・。
UさんマウンテンブーツJ.jpg

先芯についても、
“一般的な溶剤系はいやっ!”

ということで、床革を使ったトウパフ仕様にし、マウンテンブーツっぽく膨らみを持たせてみました。

一足目は圧着でしたので、次足は当初“ハンドソーン・ウエルト製法”でということでしたが、ここでも急遽

“やっぱりノルウィージャン製法でやりたいっ!!”

と我儘を言い出します。

経験値や難易度からいってちょっとまだ無理なんじゃない、と忠告するも、言い出したら聞かないUさん・・。

本人的には“ノルウィージャン・ウエルト製法”が希望でしたが、なんとか“ノルウィージャン”ではなしが付きましたが・・・・、
果たしてどうなることやら・・・。


UさんマウンテンブーツK.jpg

早速、掬い縫いへと突入・・・。

UさんマウンテンブーツL.jpg

ノルウィージャンによく見られる“チェーンステッチ”にチャレンジしてますが・・。

よく見てみると、掬い縫いそのものは9本撚りのチャンを付けた麻糸を使ってますが、チェーン部分は丸革ひもを使っているようです。

強度が心配だな〜・・・。

と思いましたが、案の定、

“ブチッ!!”と・・。

何回か切ってしまいました・・。

また掬い針も2回位は折ったでしょうか・・・。

UさんマウンテンブーツQ.jpg

これで少しモチベーションが下がったのが、登場が久々になった理由のようです・・。

それでも何とか頑張って・・、
UさんマウンテンブーツM.jpg

な・ん・と・か・・・、

UさんマウンテンブーツN.jpg

一・周・・・・、
UさんマウンテンブーツO.jpg

・・・縫い上げました〜。

UさんマウンテンブーツP.jpg

でももう片足ありますよ〜。

次はいつ頃ご登場かな・・・?
posted by tomo at 14:30| Comment(0) | 生徒さん追っかけ記録

2016年09月08日

Sさん追っかけ記録@(ライダースブーツ編)〜女性ライダー登場!の巻

この春から通っていただいているSさん。

初めての一足目ながら、ご自身のライダースブーツを作りたいとのこと・・・。

女性ライダーなのね・・・。

Sさんライダーブーツ@.jpg

因みに一般的な短靴なんかですと、使う革の厚みはおおよそ1.2o〜1.5o位なんですが、ライダースブーツは丈夫さや防寒性が求められますので、だいぶ厚めの革を使うことになります。

その分つり込み作業などが大変なんですが、

“なんとか頑張りますっ!!”

ということなので、頑張ってもらってます・・。

革はタンニン鞣しの赤茶の革で、厚みは2.5o程・・。大丈夫かな・・?


仮履きが終わり、いよいよ本番へ突入・・・。
SさんライダーブーツA.jpg

ん? いきなりミシンの縫い直しか?

SさんライダーブーツB.jpg

縫いの手順を一部間違ってしまったようで、折角縫った糸をリッパーで解いてます。あ〜ぁ・・。


SさんライダーブーツC.jpg

しかし、何とか上手にリカバリーできました。

お〜、トリプルステッチ・・。

短期間でかなりミシンが上達してますよっ!

糸も靴の場合30番〜20番位を主に使いますが、今回は8番とかなり太めのステッチで決めてます。

SさんライダーブーツD.jpg

手前が仮履きの靴なんですが・・・、

SさんライダーブーツE.jpg

革が厚すぎるのか、なんだか全然違うデザインみたいです。

因みにライダースブーツによく見られる、風の侵入を防ぐ“ガセットタン”と言われるちょっと変わった作りになっています。なのでつり込み前で革が、特にタンの部分がごわついて、こんな感じになってます。

だいぶ手強そうですな・・。

ワニで吊り込む度に、厚くて丈夫な革独特の軋み音が工房に鳴り響きます・・。

SさんライダーブーツF.jpg

しかし、ようやく形になってきて、Sさんテンションが上がってきました。

SさんライダーブーツG.jpg

次回はいよいよ芯材を入れて本つり込みに突入です。
posted by tomo at 19:57| Comment(0) | 生徒さん追っかけ記録