2016年04月28日

ウエディングサプライズ〜2016

毎年1〜2人位のペースですが、いわゆる“サプライズ”で靴を作られる方がいらっしゃいます。

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こちらのHさん・・・、昨年めでたくご結婚、このGW前に披露宴を行われるそうで、その際に旦那様にサプライズで靴をプレゼントしたいとのこと・・・。

確か1月の末にご連絡をいただき、式場のスタッフの方との打ち合わせや、動画編集を考えるとできれば3月中、遅くとも4月頭には完成させたいと・・。

2ヶ月しかないじゃんっ!

さすがに2ヶ月では厳しいかも・・、と思いましたが、

“週3日でも来ますっ!なんとか頑張りますっ!”

と熱い思いが伝わったので、お引き受けすることに・・。

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革もこちらの浅草への買い出しにわざわざ付いて来られ、ご自身で選んだ革を使うというこだわりよう・・。

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慣れないミシンも猛練習・・。

愛の力は偉大ですな・・。

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こちらはつり込み作業・・。
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最初、“周りからはかなり不器用だといわれます・・・。”ということでしたが、いやいやなかなかいい筋してますよ。

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そしたらおもむろにビデオカメラを準備し、動画撮影を・・・。
披露宴で流すようで、編集もご自身でされるとのこと。

大変だな・・・。

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なんとか片足は形になってきました。この時のカメラの記録を見ると日付は3月22日・・。リミットまであと10日程です。
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両足つり込みを完成させ、いよいよ底付け作業へ・・。
ビデオカメラで撮影しているところを、撮影・・・。

3月24日です。

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急ぎすぎて雑になっては元も子もないので、ここは丁寧に・・。
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押し縁も綺麗に仕上がりました。

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25日にはソールの削り出しも終え・・・、

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完成〜!

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しっかりとポリッシュで磨いて・・。

喜んでくれるといいですね・・。

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Hさん、お幸せに〜!
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2016年04月24日

靴の返りを良くする方法

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“職人Sさん”の“寄り道”編の靴が、いつの間にやら完成していました・・。
財布等でよく見られる高級皮革・“ブライドルレザー”をぜいたくに使った一足です。

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これまですべてハンドソーンやノルウィージャンで底付けしてきたSさん・・・。
今回の靴は“雨の日用”ということで(なんともモッタイナイ・・・)、

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革底ではなくタンクソールを付けましたが、なんとそこも手縫いしてます。

因みに出し針は3回折ったそうで・・・。

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とってもいい革ですが、雨に濡れる運命なのね・・。

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完成後、一週間履いてみたそうですが、サイズ・その他は問題ないのですが、かなり返りがわるいとのこと・・・。

まあ、そりゃそうでしょう・・・。中底7o、ミッドソール7oに更にタンクソールっすから・・。体重60s前後のSさんではかなり厚すぎです。
だから言ったのに・・。

でも、まあ本人曰く・・“一週間でだいぶ馴染んだので大丈夫でしょう”と・・・。

現在進行中のマウンテンブーツも、同様に進めるようです・・。

“四十にして迷わず”です。


それに対して、“靴の返り”をしっかり考えて靴を作っているのがMさん・・。

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自分の靴を3足、奥様の靴2足作り、最近では奥様のご友人の靴を量産中のMさん・・。
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こちらがそのお友達の足の採寸表ですが、かなり細身の足で、特に踵が細いことが分かります。

ですので、ご自身で購入する靴はいつも踵が脱げてしまうのが悩みの種、とのこと・・。


ということで、パンプス用の木型を使って内羽根の靴を作ることになりました。
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因みに、次の写真は同じサイズの木型を並べてみましたが、上から見てみるとこれだけ違います。
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更に、歩行時の“返り”を良くするため、“ボロネーゼ”という製法でライナーのつり込みを行っています。
“チューブ”とも言いますが、前足部の中底を敢えて入れず、ライナーと1〜2oの革を縫い付ける方法です。

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まるで靴下のようにライナーと中底部分がBP付近を覆っているため、“返り”が格段に良くなる手法の一つです。

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今回はご本人の希望で、敢えて先芯を入れずに仕上げてみました。

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通常の靴にはない返りの良さにどんな反応を示されるか楽しみです。


因みに、ご自身のパンプスを作りながらその様子を見ていたTさん・・・。

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“私もその【ボロ・・なんちゃら】で作るぅ〜”

ということで、仮つり込みを終え、いよいよ本つり込みへ・・・。

因みに本つり込みの前に、踵の心材を固めるホワイトペーストがはみ出てこないよう、仮つり込みの時に空けた踵部の釘穴1か所をふさぐため裏からテープを貼る必要があります。

既に3足目の彼女ですが、念のため、

“踵の釘穴をテープでふさぐの忘れないでよ”

の一言に、何を勘違いしたのか・・、

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くまなく釘穴を封鎖!

またもや笑いの神、降臨です。

まったくっ!・・・、ワザとなんだか天然なんだか・・・。

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全部剥がしてくださいっ!
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2016年04月18日

Mさん追っかけ記録B(スニーカー作り編)〜お腹がすくと集中力が切れちゃうんです〜の巻

久々ご登場のMさん・・・。

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昨年秋から彼女の“追っかけ記録”として、スニーカ作りの第@弾・第A弾をご紹介しておりました。

こちらがその記事⇒http://sakaiworks.sblo.jp/archives/20151005-1.html
http://sakaiworks.sblo.jp/archives/20151109-1.html

確か最後に、“年末までに第B弾としてご登場いただきましょう・・・。”とブログで書いたような気がしましたが・・・・。

4か月遅れでようやく・・・。

仮履きが完成した後、少し安心したのかだいぶペースが落ちてきたようです。

いやっ、ペースが落ちてきたというよりは集中力を持続させることが出来なくなってきたといった方が正しいかもしれません・・。

以前は月謝制で通っていただいておりましたが、復帰後はチケット制へと変更した彼女・・・。
平均月2回ペースで、午前・午後と連続で作業をするケースが多いのですが、どうやら2時過ぎ位になるとお腹がすいて来るようです。

お腹がすいて来ると、いつの間にか手が止まり、一点を見つめ出します。

非常に分かりやすいサインです・・。

で、コンビニで食料を調達し、お腹を満たした後は改めて作業再開・・・。



ところが、4時過ぎ頃になると、再び手が止まり、またあらぬ方向を凝視しだします・・。

今度は睡魔ですね・・・。 空腹時より目が虚ろですから、これも一目瞭然です。

当初の予定より遅れた原因は、どうもここにありそうですね・・。

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まあ、そんなこんなで、何とかアッパーが完成しました。

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ライナー型紙は悪魔の構図でしたが、こちらはなんだかとっても意地の悪い宇宙人のようです・・。

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残り10分で、何とか意地をみせ仮つり込みまで終わらせようと試みますが・・・、

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残念・・・、今回はここまでで終了〜。

因みに、6〜7年前・・、まだ彼女が靴づくりを始めたばかりの頃のブログをふと思い出しました。
http://sakaiworks.sblo.jp/archives/20091216-1.html

以前も似たようなことやってましたね〜。
posted by tomo at 09:05| Comment(0) | 生徒さん追っかけ記録

2016年04月14日

引っ掛け美錠でダブルモンク

昨年暮れから、初めての靴づくりにチャレンジ中のOさん・・。
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“ダブルモンクストラップ”というと、メンズというイメージが強かったのですが、最近ではレディースも人気があるようですね。

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今回はそのダブルモンクを、女性ものでよく使われている“引っ掛け美錠”で作ろう、という試みです。
さすがにダブルだと見た目がごつくなりそうなので、甲よりの一か所のみで進めることに・・・。
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つり込み等諸々は今回は省略して、あっという間に底付けです。

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で中敷きを作って・・、

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完成〜!

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アッパーをシックな黒で統一しましたが、少し遊び心を加え、ライナーは赤とグレーでアシンメトリーにしてみました。

工房では、落ち着いた雰囲気で寡黙なOさん・・。
以前、工房の新年会のお誘いでお声がけしたところ、

“まだ19なんでお酒飲めないんです〜”と・・。

自分で稼いだお給料で自分の靴を作る、随分としっかりものの10代・・・。

彼女を見ていると、自分の若いころが恥ずかしい・・。

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Oさん、次はインディアンモカシンに挑戦です。
posted by tomo at 14:21| Comment(0) | 工房及び教室のこと

2016年04月08日

職人S氏追っかけ記録A(マウンテンブーツ編)〜得意のダブルスタンバイ〜の巻

マウンテンブーツ作りの職人Sさん・・・、約3か月ぶりのご登場です。
※追っかけ記録@はこちら⇒http://sakaiworks.sblo.jp/article/172595908.html
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前回は仮つり込みまででしたが、コツコツ進行中です。

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通常よりもかなり厚めのトウパフですな・・。

“こんなに厚いと底面のエッジが出ないから掬い縫いでかなり苦労しますよ”
という忠告にも、

“いや、大丈夫っす・・、と・・・。

まさに【四十にして迷わず】・・・。自分の信じた道を突き進みます。

もうここまで手練れてくると、私の言うことも聞いてくれません・・。

まあ、Sさんの場合何とかしちゃうからいいんですけどね。

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確か当初は“ノルウィージャン”の予定でしたが、さらに難易度の高い“ノルウィージャン・ウエルト製法”にしたようです。

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ノルウィージャン・ウエルトとは、このように幅広のウエルトとアッパー、そして中底を掬い縫いしていきます。
ハンドソーンの場合は、最初に中底に下穴を空けておいて、その下穴に中底側から針を入れるので比較的容易なのですが(それでも初めての人には大変なんですが・・。)、こちらは外側(アッパー側)から針を入れるので更に難易度が上がります。

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しかも革ひものチェーンステッチまで入れて・・・。
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そしてこのようにL字に折り曲げて、底面を平らにして・・、
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この後更にミッドソールと出し縫いをかけていきます。


と、この一足だけでも超大変なのに、この日はなんとご自宅で同時進行中の靴も登場です。

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マウンテンブーツの方は教室の木型を使っているので、底付け作業などは工房でしかできませんが、マイ木型をお持ちのSさん、このように自宅でも・・。

でました、得意のダブルスタンバイです。

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なにやら今回は、ネットで超高級革・ブライドルレザーを入手したとのことで、そちらを使った“内羽根”靴・・。

財布やダレスバッグなどでは極稀に見かけますが、まさか靴で使うとは・・・。

しかもハンドソーンで底付けまで終わってますよ。

どんだけ好きなんだよ!って感じです。


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因みにこちら、同じくマウンテンブーツを作っているUさんの靴・・・。
こちらは“クーズー”という稀少革を使っているので、その対抗心なのかな・・。

最近、革に異常なほど愛着をもつ“レザー男子”が増殖中です。
posted by tomo at 14:21| Comment(0) | 生徒さん追っかけ記録