2012年05月26日

靴作り〜其の五

いよいよ靴作りの最終回。

まずはヒールの積み上げです。
ソールの大きさより5mm程大きめにカットしたヒールを、ホワイトペーストで付けていきます。

またタックス(11mm)も打ち込みしっかりと固定させます。

靴作り・仕上げ@.jpg

ソールは湾曲していますので、一枚重ねるたびにそのアールを削っていき、最後の化粧ヒールの段階では平らになるよう調整していきます。

今回は3枚+化粧で計4枚の積み上げとなります。

靴作り・仕上げA.jpg

通常、はみ出たヒールは包丁で切り出し⇒木やすり⇒ガラスで平らに均していき、更にその後、サンドペーパーで磨いていきます。

そのサンドペーパーも、最初は#60の荒目で磨いていき、その後⇒#120⇒#400⇒#600とどんどん目を細かくしていきます。

この工程がとっても大変・・。

初めての人は腱鞘炎のチョット手前くらいまでいっちゃいます。
親指の指紋も消えかかるでしょう・・。



なので、今回はグラインダーで・・・。

もちろん、番手も#120⇒#400⇒#600と特注のゴムプーリー用のペーパーを使って磨いていきます。

便利な世の中になりました・・。

これで指紋も消えることはありません。


靴作り・仕上げB.jpg

また化粧ヒールには“化粧釘”と呼ばれる釘を打ち込んでいきます。

ヒールを固定する為と、あとは装飾的な意味合いもありますので、どう打ち込むかは本人次第・・。

まあ、今回は“薄化粧”ということで、シンプルな感じで・・。


靴作り・仕上げC.jpg

でソールの側面に染料を塗って、バフ機と呼ばれる機械で磨いていきます。

靴作り・仕上げG.jpg

その前に、コテと呼ばれる専用の道具でしっかり磨き、表面をしっかりと締めていくとキレイに染料が乗ってくれるでしょう。

今回は濃茶のリペアソールリキッドを使用・・。

靴作り・仕上げD.jpg

で、カバーを外して・・、

靴作り・仕上げE.jpg

完成〜!!

因みに、今回バフ機を使って、初めて“焦がし”にも挑戦。

19_2.jpg

まあ、初めてにしてはこんなもんですかね・・。


靴作り・仕上げF.jpg


先日完成したバッグとコンビでパチリ。
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2012年05月22日

ロックなベビー!!

当工房3年目で8足目、おなじみのMさん。

お姉さんに二人目のベビー(男の子)がご誕生されたそうで、またまたご自身の靴を中断、より道してベビーシューズ作りに励んでおります・・。

98_thumb.jpg


今回も相変わらずロックな感じで・・。


98_4.jpg

因みに前回、お友達の赤ちゃん(女の子)へプレゼントされたシューズがこれ↓・・。


(a href="http://sakaiworks.sakura.ne.jp/sblo_files/sakaiworks/image/56_1.jpg" target="_blank">56_1.jpg


いずれも黒を基調に、シルバーの爬虫類型押しやゴールド、ラメ入りショッキングピンクといった、おおよそ生後間もない幼子が好むとは思えないような色使いです。

人は成長するにつれ、黒やベージュといった渋い色合いを好むようになりますが、乳幼児は視力が未発達な為、赤や黄色といった明るい原色にしか興味を示さない、と昔何かの本で読んだことがあります。

まあ、このへんは親(今回は親の身内・知人にあたりますが・・)のエゴというわけですな・・。


しかも、光沢のあるエナメルっぽい硬い黒革を使っている為、皺もちょっと残ってるし・・。


何度も止めたんですよ。むづかしいって・・。

君が思ってるほど、赤ちゃんはシルバーや型押しに興味がないってことを・・。

でも言うこと聞いてくれなくて・・・。

も〜完全にエゴです。


ま、喜んでくれればいいんですけどねっ!




こちらは一転、可愛らしい色使いのサンダルを作成中のTさん。

Iさんサンダル@.jpg

当工房2年目で3足目となります。

Tさん、ご自宅で自作鞄をいくつも作ってしまう程の、今はやりのDIY女子ですが、今回のサンダルもサクサクっと、ご自身で進めていってます。

ボタンやステッチも手作り感たっぷりで独創的です。

IさんサンダルA.jpg

うん、うん、順調に進んでますね・・・・って、ああ〜っ!!

Tさん、ストラップにそのステッチは〜!

美錠の穴をどこに空けるの〜っ!

・・・また宿題が増えました。




こちらは、同じく日曜クラスのWさん。

そんなやり取りを横目に、初めての靴作り、パンプスに挑戦中です。

シンプルなパンプスにリボン、といったデザインですが、

Wさんパンプスリボン@.jpg


アッパーと同じ素材の革だと、なんだかリボンぽくならない・・・。

フィッティングで試して、本番では大分薄く漉いては見たものの、イマイチな感じ・・・。


そこで、同じ黒でも素材を変えてみることに・・。

WさんパンプスリボンA.jpg

お〜、なんとかリボンっぽくなってきた〜。


ホッ・・・。


色々失敗を重ねて、人は成長していくものです。なんて・・。

posted by tomo at 17:15| Comment(0) | 工房及び教室のこと

2012年05月08日

靴作り〜其の四

GWも終わり、また日常が戻って参りました。

さて、靴作り工程もいよいよ終盤へと突入です。

前回は、掬い縫いが終わりウエルトと中底とアッパーを縫い合わせたところまででした。



靴作り・底付け@.jpg

これは、残ったウエルトを加工しいわゆる“鉢巻き”と呼ばれる、踵部分です。ホワイトペーストとタックスで、ウエルトとの段差が無いように取り付けます。



靴作り・底付けA.jpg

そのあとは“中物”を詰めていきます。


後方部分は、“シャンク”といわれるもので人の体重をしっかりと支える為のもの。

最近は、プラスチック製のものが多いようですが、従来はサビ・カビ防止の為5mm厚のショルダー(革)を詰めていたようです。
今回はアッパーの革の厚みが差ほどないので、3mm厚のショルダーと市販の鉄製シャンクの組み合わせです。

前方はクッションの為板コルクを詰めてます。


でいよいよ本底をつけていきます。

まずは5mm厚の底材を少し大きめに切り出して・・・、


靴作り・底付けB.jpg

踏まず部分は写真のように薄く削っておきます。

これは、完成したときに靴をスマートに見せるための加工です。

最近はこの“ヴェヴェルウエスト”が流行のようです。


靴作り・底付けC.jpg

糊でしっかりと圧着し、ウエルトと同じサイズに切り回していきます。

靴作り・底付けD.jpg靴作り・底付けE.jpg

キレイに整いました。


この後は、ついに最後の手縫い作業、“出し縫い”へと入ります。


まずは・・、

靴作り・底付けF.jpg

底材端の薄皮を、包丁で丁寧に切り込みをいれて行きます。
この作業を“チャネリング”もしくは“溝おこし”といいます。

単にウエルトと底材を縫っても良いのですが、そうすると底面に縫い目が出てしまいます。

糸切れ防止と、まあ見た目すっきりとさせるということで、こんな面倒くさい工程も加わります。


靴作り・底付けG.jpg

切込みを入れたら、ソフトナー(革用柔軟剤)を塗り、このように捲りあげます。

で捲られた本体に糸の収まりが良くなるように溝を掘っていきます。
靴作り・底付けH.jpg

ここからは、出し針を使ってチクチクと手縫いです。

靴作り・底付けI.jpg


一般的には縫い目が細かければ細かい程良いとされてまして、中には1インチ(約2.5cm)あたり12〜13針も縫ったりするそうですが・・・、

そうすると出し縫い片足だけで一日作業になってしまう・・・。

なので今回は荒めのステッチで・・。



靴作り・底付けJ.jpg

途中、休み休みで6時間位でしょうか・・・。

しんどいけど、楽しい工程です。

次回、いよいよヒールの積み上げ〜仕上げの最終回!
posted by tomo at 13:57| Comment(0) | オーダー及び靴のこと